micro:bit 単元別活用事例集

トレーニング補助装置

計測・制御システムの基本的な構成と、プログラムの役割を理解することを目的として、センサによる自分の姿勢の計測、LEDとスピーカーの自動制御を行う。

いわゆるコロナ禍による外出の制限で、運動不足による体力低下が社会的な課題になっている。

そこで、センサで姿勢を計測しながらバランス運動を行い、バランスが崩れると音と光で警告するシステムを制作し、室内でも運動のモチベーションを維持することで、社会的な課題の解決をはかる。

バランス運動以外にも、ダンベル運動の回数測定、その場足踏み運動の歩数測定など応用が考えられる。

教科書関連ページ

令和3年度 開隆堂 技術家庭科P.255 自分の動きを計測するトレーニング補助装置

本時例のねらい

本事例で作成する計測・制御システムである「トレーニング補助装置」は、加速度を計測するセンサと、圧電スピーカー、LEDディスプレイで構成されている。

両手を広げて片足立ちするバランス運動の場合は、手に持ったセンサで計測した値(加速度)で体の左右の傾きを計測し、傾きがしきい値を超えた場合に音とLEDディスプレイで警報を発する。これらにより、一連の情報がプログラムによって処理されることを知ることができる。

また、簡単なプログラムを作成することで、情報処理の手順には、順次、分岐、反復があることを知ることができる。

対応する項目と時数

D 情報に関する技術

(3) プログラムによる計測・制御について,次の事項を指導する。

ア コンピュータを利用した計測・制御の基本的な仕組みを知ること。

イ 情報処理の手順を考え,簡単なプログラムが作成できること。

引用元:https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387018_009.pdf

時数:
上記のうち3時間程度

時限 学習内容
1 身の回りにある計測・制御システムを調べ、基本的な構成、プログラムの役割を知る。身の回りにある計測・制御システムを調べ、基本的な構成、プログラムの役割を知る。
2 身の回りにある問題を発見して、計測・制御のプログラミングで解決できそうな課題を設定する。(室内で運動するモチベーションを保ちたい)
3 課題を解決するための計測・制御システムを構想しプログラムする。(体の動きを計測して自分の体を制御できないだろうか)
4 計測・制御システムのプログラムを制作する。計測・制御システムのプログラムを制作する。(本時)
5 制作したシステムの動作確認、デバッグをする。
6 制作したシステムによる問題解決を振り返る、ほかのトレーニングへの応用について考える。
7 発表する。観点に基づいて評価する。
8 予備

準備物

本事例では、以下のものを使用する。

項番 名称 備考
1 パソコン インターネットに接続され、検索サイトが利用できるもの
2 micro:bit V1.3B、V1.5、V2に対応
3 USBケーブル パソコンとmicro:bitを接続するもの
4 アカデミックシリーズ micro:bit用メインボード(赤ボード)/TFW-S-M1
5 ワークシート 当該ページのリンクよりダウンロードして利用可能
6 スライド 当該ページのリンクよりダウンロードして利用可能

 

学習の流れ

7つに分割して、ステップアップするように学習を進める。色付きの部分(項番3・5・6)はプログラミングのステップである。

項番 学習内容
1 加速度、明るさ、温度などのセンサーを利用して、自分の体の態勢を計測する方法を考える。(以下、加速度を利用する場合を想定)
2 micro:bitの3軸加速度センサーの仕組みと使い方を調べる。
3 加速度をLEDディスプレイに表示するプログラムを作る。
4 体の動きを計測するには加速度センサーをどう使うか考える。
5 ボタンを押すと時間の計測を開始し、加速度センサーで体の傾きを検知しすると計測を停止、音を鳴らすアルゴリズムを考え、プログラムする。
6 実際に使用してテストする。
7 改善点について考え、他の運動に応用する方法を考える。

ワークシート

学習の流れ(解説)

時間配分の目安

対応するワークシートの項番

ねらい

子どもの学習活動と思考(

指導上の留意点と子どもへの支援(

評価の視点

10 1 1.解決したい課題に適したセンサーを選択できる。 検索サイトや配布資料で調べる。
☆センサーにはいろいろな種類がある。
☆課題解決の方法は1つではない。
参考にした資料の名称やサイト名(URL)などを、参考資料・引用元として明示にすることを伝える。
☆具体的なサイト名(URL)を伝える。
目的に適切なセンサーの利用法を理解している。
15 2 1.3軸加速度センサーは、xyz軸の加速度を計測できることがわかる。
2.micro:bitのどの向きがxyz軸に対応しているかわかる。
ボード上のセンサを観察する。
MakeCode for micro:bitを使って、指定されたサンプルプログラムファイル(または共有URL)を読み込む。
☆センサ小さいね。
☆センサの値が簡単に表示できるね。
☆センサの仕組みはどうなっているんだろう?
☆正確な値が計測できているのかな?
ボード上にあるセンサを紹介する。
☆加速度、磁力を計測できる環境センサーであることを紹介する。
加速度センサーの機能と、主な目的を理解している。
20 3 1.micro:bitをプログラミングして3軸の加速度の相対値を取得できる。 ボードを3方向に傾けて、取得する数値の違いを考える。
☆正負の値の違いは何なのだろう?
☆値の数値の意味は何なのだろう?
☆z軸は傾けなくても値が表示されるのはなぜ?
実社会では3軸~9軸のセンサーが使用されている例を紹介する。
重力も加速度があることを思い出させ、センサーに反応することを理解させる。
加速度センサーを利用して加速度を取得するプログラムができる。
20 4 1.体の動きを計測するために、どのような向きにセンサーを取り付け、どの軸の加速度を取得すればよいかがわかる。 赤ボードに取り付けて、手に持って加速度を計測する。
☆持つ向きによって各軸の加速度がかわる。
センサーの軸が意図した方向になるように、体へ赤ボードを取り付ける。
☆手に持つだけでも良いし、養生テープで貼り付けてもよい。
センサーを具体例に適用して、問題解決しようとしている。
35 5 1.加速度センサーを使用して、体の動きを検知すると、音と光を出すプログラムを考えて実装してみる。 センサの値の具体的な使い方を考える。
☆x軸の値がどうなったら体が動いたことになる?
☆体にどう付けたらいいのか?
☆ヒントとなるキーワードは「条件分岐」であることを伝える。 課題解決のためのプログラムを構想することができる。
30 6 1.加速度センサを使用して、スタートしてから体が動くまでの時間を計るプログラムを実装し、テストする。
2.micro:bitの「一時停止」ブロックと変数の組み合わせで一定時間を測る方法がわかる。
ワークシートのフローチャートを参考にして、体が動いたら警告を出し、時間を計測するプログラムを実装する。
☆ただセンサーの値をみているだけではできない。
☆何かタイマーのようなものが必要だ。
☆micro:bitのブロックに時間に関係するものがあったはず。
フローチャートからプログラムを書く際に、条件の組合わせと順序をよく注意する。
一定時間の経過、加速度センサーによる動きの検知、という2つの条件の組み合わせが必要である。
時間の経過や、計測中の状態を覚えておくために変数の利用が必要である。ということを周知する。
☆プログラミングの前に、フローチャートを作成する。
センサー、コンピュータ、プログラムを組み合わせて、実際の課題を解決することができている。
20 7 1.実装してテストした結果から、さらなる改良案を考えて提案する。
2.ほかの運動に応用できないか考えてみる。
手順5、6のプログラムより、さらに効率的な方法はないか。他の運動に応用できないか、考える。
☆もっと無駄のないアルゴリズムがあるのではないか?
☆筋トレに使えないだろうか?
自分の課題解決例を客観的に振り返り、さらなる課題の発見、解決の提案ができる。