micro:bit 単元別活用事例集

冷蔵庫の開けすぎに注意しよう

計測・制御システムの基本的な構成と、プログラムの役割を理解することを目的として、センサによる冷蔵庫ドアの開閉頻度の計測、LEDとスピーカーの自動制御を行う。

冷蔵庫のドアの頻繁な開閉は、温度維持のための電力消費を増加させ節電に反する。その対策として、一定時間内のドア開閉数が基準値を超えた場合、音と光で警告するシステムを構築する。

教科書関連ページ

令和3年度 東京書籍 技術家庭科P.247 冷蔵庫開閉チェッカー

本時例のねらい

本事例で作成する計測・制御システムである「冷蔵庫開閉チェッカー」は、加速度を計測するセンサと、圧電スピーカー、LEDディスプレイで構成されている。センサで計測した値(加速度)を元にして、一定時間内のドアの開閉回数を測定し、開閉頻度が閾値を超えた場合に音とLEDディスプレイで警報を発する。これらにより、一連の情報がプログラムによって処理されることを知ることができる。

また、簡単なプログラムを作成することで、情報処理の手順には、順次、分岐、反復があることを知ることができる。

(教科書の対応:東京書籍版 P247)

対応する項目と時数

D 情報に関する技術

(3) プログラムによる計測・制御について,次の事項を指導する。

ア コンピュータを利用した計測・制御の基本的な仕組みを知ること。

イ 情報処理の手順を考え,簡単なプログラムが作成できること。

引用元:https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387018_009.pdf

時数:
上記のうち3時間程度

時限 学習内容
1 身の回りにある計測・制御システムを調べ、基本的な構成、プログラムの役割を知る。
2 身の回りにある問題を発見して、計測・制御のプログラミングで解決できそうな課題を設定する。(冷蔵庫の無駄な開閉を減らして節電したい)
3 課題を解決するための計測・制御システムを構想する。(冷蔵庫ドアの開閉数を計測して、警告できないだろうか)
4 計測・制御システムのプログラムを制作する。(本時)
5 計測・制御システムのプログラムを制作する。(本時)
6 制作したシステムの動作確認、デバッグをする。(本時)
7 制作したシステムによる問題解決を振り返る、観点に基づいて評価する。
8 予備

準備物

本事例では、以下のものを使用する。

項番 名称 備考
1 パソコン インターネットに接続され、検索サイトが利用できるもの
2 micro:bit V1.3B、V1.5、V2に対応
3 USBケーブル パソコンとmicro:bitを接続するもの
4 アカデミックシリーズ micro:bit用メインボード(赤ボード)/TFW-S-M1
5 赤ボードを冷蔵庫に固定するためのマグネット、両面テープなど
6 冷蔵庫が無い場合は、ドアに見立てるための段ボールなど工作材料
7 ワークシート 当該ページのリンクよりダウンロードして利用可能
8 スライド 当該ページのリンクよりダウンロードして利用可能

学習の流れ

7つに分割して、ステップアップするように学習を進める。色付きの部分(項番3・4・5・6)はプログラミングのステップである。

項番 学習内容
1 加速度、明るさ、温度などのセンサーを利用して、冷蔵庫ドアの開閉頻度を計測する方法を考える。(以下、加速度を利用する場合を想定)
2 micro:bitの3軸加速度センサーの仕組みと使い方を調べる。
3 加速度をLEDディスプレイに表示するプログラムを作る。
4 加速度センサーで、ドアの開閉を検知して音を鳴らすアルゴリズムを考え、プログラムする。
5 一定時間内の開閉回数を検知するアルゴリズムを考え、プログラムする。
6 一定時間内に一定回数開閉されたら、音を鳴らし、LEDディスプレイを点灯して警告するプログラムを作り、実際に冷蔵庫に取り付けてテストする。
7 改善点について考える。

ワークシート

学習の流れ(解説)

時間配分の目安

対応するワークシートの項番

ねらい

子どもの学習活動と思考(

指導上の留意点と子どもへの支援(

評価の視点

10分 1 1.解決したい課題に適したセンサーを選択できる。 検索サイトや配布資料で調べる。
☆センサーにはいろいろな種類がある。
☆課題解決の方法は1つではない。
参考にした資料の名称やサイト名(URL)などを、参考資料・引用元として明示にすることを伝える。
☆具体的なサイト名(URL)を伝える。
目的に適切なセンサの利用法を理解している。
15分 2 1.3軸加速度センサーは、xyz軸の加速度を計測できることがわかる。
2.micro:bitのどの向きがxyz軸に対応しているかわかる。
ボード上のセンサを観察する。
MakeCode for micro:bitを使って、指定されたサンプルプログラムファイル(または共有URL)を読み込む。
☆センサ小さいね。
☆センサの値が簡単に表示できるね。
☆センサの仕組みはどうなっているんだろう?
☆正確な値が計測できているのかな?
ボード上にあるセンサを紹介する。
☆加速度、磁力を計測できる環境センサであることを紹介する。
加速度センサの機能と、主な目的を理解している。
20分 3 1.micro:bitをプログラミングして3軸の加速度の相対値を取得できる。 ボードを3方向に傾けて、取得する数値の違いを考える。
☆正負の値の違いは何なのだろう?
☆値の数値の意味は何なのだろう?
☆z軸は傾けなくても値が表示されるのはなぜ?
実社会では3軸~9軸のセンサが使用されている例を紹介する。
重力も加速度があることを思い出させ、センサーに反応することを理解させる。
加速度センサを利用して加速度を取得するプログラムができる。
20分 4 1.冷蔵庫ドアの開閉を検知するために、どのような向きにセンサーを取り付け、どの軸の加速度を取得すればよいかがわかる。 赤ボードとともに冷蔵庫のドアに取り付けて、加速度を計測する。
☆ドアの開閉に関係するのはz軸の加速度だけだ。
センサーの軸が意図した方向になるように、ドアへ赤ボードを取り付ける。
☆マグネットやテープなど取り付け方の工夫を紹介する。
センサを具体例に適用して、問題解決しようとしている。
35分 5 1.加速度センサを使用して、ドア開閉を検知すると、音と光を出すプログラムを考えて実装してみる。 センサの値の具体的な使い方を考える。
☆z軸の値がどうなったらドアが開いたことになる?
☆閉じる時も反応するだろうか?
冷蔵庫がない場合は、段ボールなどで扉状のものを作る。
☆ヒントとなるキーワードは「条件分岐」であることを伝える。
課題解決のためのプログラムを構想することができる。
30分 6 1.加速度センサを使用して、一定時間内のドア開閉を検知するプログラムを実装し、テストする。
2.micro:bitの「一時停止」ブロックと変数の組み合わせで一定時間を測る方法がわかる。
ワークシート5のフローチャートを参考にして、一定時間内のドア開閉を検知し、警告を出すプログラムを実装する。
☆ただセンサーの値をみているだけではできない。
☆何かタイマーのようなものが必要だ。
☆micro:bitのブロックに時間に関係するものがあったはず。
フローチャートからプログラムを書く際に、条件の組合わせと順序をよく注意する。
一定時間の経過、加速度センサーによるドア開閉の検知、という2つの条件の組み合わせが必要である。
時間の経過や、ドア開閉回数を覚えておくために変数の利用が必要である。ということを周知する。
☆あらかじめセンサで計測した値を、変数に代入するように指示する。
☆プログラミングの前に、フローチャートを作成する。
センサー、コンピュータ、プログラムを組み合わせて、実際の課題を解決することができている。
20分 7 1.実装してテストした結果から、さらなる改良案を考えて提案する。 手順5,6のプログラムより、さらに効率的な方法はないか。さらに効果的にドア開閉を制限する方法はないか、考える。
☆もっと無駄のないアルゴリズムがあるのではないか?
☆警告するだけより、実効性のある方法はないのか?
自分の課題解決例を客観的に振り返り、さらなる課題の発見、解決の提案ができる。